シャープペンシルの歴史の5
シャープペンシルの歴史の5>
イギリスでシャープペンシルが誕生した1822年から、太平洋戦争後の昭和30年代まで、シャープペンの芯を出す仕組みと言えば、繰り出し式でした。
家電メーカーシャープの創業者早川徳次が大正時代に販売していたのも、もちろん繰り出し式です。
戦前までは鉛筆の芯に近い太さ2mm前後の物だったはずです。それが戦後になると、ドイツから輸入された0.9mm芯が中心的に使われていました。
この繰り出し式が、現在のノック式に変わったのが昭和30年代なのですが、これだけの一大転換でありながら、不思議なことにノック式の発明者や正確な時期などは一般に伝わっていません。
色々調べると、1960年(昭和35年)頃に国産メーカーによってノック式が開発されたという記述が散在しています。
その後各社から発売されているようなので、特許による独占などもなかったのでしょうか。
たぶん、先金の先端にゴムチップのないドロップ式が先ず開発され、その後に、芯がストンと落ちるのをゴムチップで防ぐ方式が開発されたのではないかと思いますが、この部分はあくまで想像です。
最初の0.9mm芯のノック式はあまり広まらなかったようですが、その後0.5mm芯が開発されると人気に火がつき、広く普及していきました。
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この記事は2009年6月初掲 【ボールペン工房キリタの工房便り】