クリップについての4
クリップについての4>
2,金属板からのプレス成型品(1)、
今回紹介する金属プレスによる成型は、今も世界で最も多く使われる製造方法で、ペンクリップの王道とも言うべき方法です。
作り方を一言で言うと、薄い金属の板を打ち抜いて、曲げて曲げて曲げて形を作っていくのですが、そこには多くの技術、ノウハウがあり、日本でも数社しか製造しているところがありません。
(キリタを含む日本の全ての筆記具メーカーは、その数社のクリップメーカーからクリップを購入しています。)
そのポイントの一つは、部品としてのバネを使わないで、素材そのものにバネ性がある金属を使っていることにあります。
「バネ性がある金属」とは、分かり易く言うと、薄い板にした時に強い「しなり」がある素材と言うことになります。
具体的には、ほとんど多くの場合は鉄を使い、まれに燐青銅を使うこともあります。(燐青銅は、銅と錫の合金に燐を加えたもの。)
さらに「焼き入れ」という、金属に熱をかけて硬くする技法などを使い、あのピンピンというクリップの独特の弾力性を出しています。
—————————————————————————————————-
ウェブサイトのワードプレス化に当たり、記事の移し替えの為、古い記事を再掲載しています。
この記事は2009年9月初掲 【ボールペン工房キリタの工房便り】