ケーファー開発秘話・開発遍9
ケーファー開発秘話・開発遍9>
色々と苦労したケーファーの天金ですが、開発初期には、エポ入れの終わった柄の中心に黒い影が映るようになり大騒ぎになった事もあります。
柄の真ん中に小さな黒い影が必ず浮かぶのです。
最初に見た時には、全く原因が想像つかず、いったいこれはなんじゃらほいと言う感じで、途方に暮れました。
実は旋盤で削り上がった状態の天金には、縦に貫通穴が空いています。
天金は切削後に切り粉を水槽の中で洗い流すのですが、本体側の穴の中に溜まっている切り粉が、貫通穴がないと流れがないのでなかなか出て行かないのです。
そこで穴の空いた状態で製作し、ラベルで穴を塞いで仕上げるようにしました。
天金にはピカピカと光るメッキがかかっています。それはつまり外からの光を反射させている事になります。
凹み部分には上からラベル用紙と透明エポが乗っていますが、それでも上から入ってきた光は透明エポとラベル用紙を通り抜け、メッキに当たって反射して光を返します。
そのことによって、柄が明るく見える事になります。
しかし凹みの中心に穴が空いていると、穴の部分だけは上からの光を反射しないので、その部分だけ暗い影になってしまうのです。
と、分かってしまえば簡単な原理なのですが、そこに思い至るまでは相当考え込んでしまいました。
今も貫通穴は空けていますが、ラベルを貼る前にアルミ箔を張り穴をふさいで対処しています。
現在では、いくつか試した中で一番良いプリンター(インク)、一番良いラベル用紙、焼き温度や時間などが段々分かってきて仕上がりも安定してきました。(詳細は秘密ですが)(笑)
特に、印刷からエポ入れまでの時間を少し空けるようにしてから、良くなったようです。
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この記事は2010年4月初掲 名入れボールペンの【ペン工房キリタ】