ケーファー開発秘話・開発遍10
ケーファー開発秘話・開発遍10>
ケーファーで天金に並んでもう一つ特徴的な部品がクリップです。
ここ数年の間に、世界の高級筆記具業界の間では、クリップの個性化がもの凄く進みました。
元々クリップは「ペンの顔」とも言われ、そのペンのデザインを決定づける重要な要素でした。
従来は、ピンピンと跳ねるバネ性を持たせるために、薄い鉄の板をプレスで曲げて作る方法がとられていましたが、この方法だとひらべったい感じになりデザインのバリエーションが広がりませんでした。
それが最近では、鋳物や切削加工による、厚みがあり固まり感のあるクリップを使用するケースが増えてきました。
ただ多くの場合、それらのクリップには、それ自体にバネ性は有りませんから、小さなバネを別部品として組み合わせてあります。
そのようなクリップを採用する事によって、今までではできなかった立体感のある様々な形のクリップが作られるようになってきています。
ケーファーも、本体そのものはストレートのパイプを使ったシンプルなデザインですので、クリップには立体感のあるものを使いたいと思っていました。
ただケーファーの場合は、頭部の天金を回して芯の出し入れをするので、小さな別バネを頭部に仕込む方式は採用しにくい形状でした。
そこで、鋳物(ダイキャスト)で厚みのあるクリップを製作し、プレスで作った鉄の小さなクリップとカシメて組み合わせる方式を採用しました。
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この記事は2010年4月初掲 名入れボールペンの【ペン工房キリタ】