ケーファー開発秘話・開発遍12
ケーファー開発秘話・開発遍12>
型代を安く作れたと喜んでいたクリップのダイキャストですが、いざ製造を始めて見ると、組立現場から不満の声が上がってきました。
メッキ上がりの仕上がりが、今一綺麗じゃないというんです。
通常キャストや真鍮の切削部品なども、メッキ前の段階で、研磨剤を つけた布を回転させて品物に当てる「バフ」という研磨を行います。
メッキの仕上がりの美しさは、8割方バフで決まると言われており、 美しい仕上がりを目指す上では、非常に重要な工程です。
今回のキャストもバフを使って研磨してありますが、それでもメッキの肌(表面)が荒れているものが結構あるというのです。
とりあえず全数検査による選別で対応しましたが、歩留まりが悪いまま では利益が上がりません。
メッキ上がりに選別で不良を弾くと言うことは、キャスト代、研磨代、メッキ代、選別代までが無駄になってしまうと言うことになります。
不良を出した工程の業者に、補償を求めると言うことも考えられますが、そのためにはキャストの成型工程、研磨工程、メッキ工程のどこが悪い のかを特定しなければなりません。
でもこれがなかなか難しいのです。
今回の件に限らず、研磨とメッキは密接な関係にあるのですが、以外と メッキ屋に言わせると磨きが悪い、磨き屋に言わせるとメッキが悪い とか生地が悪いとか言い合ったりする場合が多く、原因が特定しにくい のです。
なにしろみんな下町の職人なんで・・・(涙)
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この記事は2010年4月初掲 名入れボールペンの【ペン工房キリタ】