ケーファー開発秘話・開発遍14

ケーファー開発秘話・開発遍14>

成型条件を見直して丁寧に成型して貰ってもまだ綺麗にならないキャストクリップの表面の問題に、もうこの頃になると、頭の中はグチャグチャで、どうして良いか分からなくなっています。

既に3ロットも打ち、全数選別しながら使っている状態が1年も続いているのですから、組立て現場でもイライラが募ります。

ともかくキャストの成型屋にまた行き、相談しました。

成型屋の見解では、調製でできる範囲のことはやった。どうもドロドロ に溶けた材料の型内での流れが悪い。これは型の問題で、ゲート口の位置が悪いんじゃないかとの見解でした。

ゲート口とは溶けた材料を型に流し込む入り口のことで、型の形に合わせて効率の良い場所に作ります。

ただこの型は、他の形用のものを転用したため、ゲート口の位置が、このクリップの形には流れにくい位置になってしまっていたのです。

ここまで判明するのに、それほど頻繁に生産しないため、実に1年位がかかっていました。

そして最後に分かったことが、型代を節約しようとしたために問題が起こっていたという事実でした。
それを決めたのは他ならぬ僕ですから、この事実にはかなり凹みました。

うんちく話のまとめ読みはこちらから

—————————————————————————————————-
ウェブサイトのワードプレス化に当たり、記事の移し替えの為、古い記事を再掲載しています。
この記事は2010年5月初掲 名入れボールペンの【ペン工房キリタ】