金属挽き物加工の5
金属挽き物加工の5>
先週までに説明した卓上旋盤では、回転している材料に刃物を当てるには、レバーを使って手動で刃物台を動かしました。
これに対して自動旋盤では、機械の力で複数の刃物台を交互に動かして次々と加工品を自動で生産していきます。
形状を削り終わったら、削った部分を材料の長い棒から切り落とし、さらに材料棒を奥から押し出して次の一個を削っていきます。
最近の大型自動旋盤はNC旋盤と呼ばれ、コンピューター制御で刃物の動きを管理していますが、それ以前は、カムと呼ばれる鉄の板の形状をなぞる事によって刃物を動かしていました。
自動旋盤に丸い鉄の円盤がセットされており、この円盤がぐるっと一周する間に全ての切削を完了し、加工部分を長い材料から切り落とします。
この円盤は正円ではなく、円周はいびつな凸凹になっています。機械にはこの凸凹をなぞる棒がついていて、その棒の動きが刃物台に繋がっていて、刃物を押したり引いたりします。
キリタで使用している自動旋盤には刃物台が5つついています。それぞれの刃物台毎にカムが1つ割り当てられているので、刃物台が5つあればカムも5つあり、全てのカムは同じ速度で回転しています。
5つの刃物台のうち、3つは材料に対して垂直の動きだけで、刃物の押し当てと戻しをしますが、2つは材料に対して平行方向の動きをするようにカムの形も工夫されています。
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この記事は2011年7月初掲 名入れボールペンの【ペン工房キリタ】