金属挽き物加工の6

金属挽き物加工の6>

自動旋盤には、カムと呼ばれる円盤が刃物台の数と同数あり、同じスピード回転していて、円盤が一周する間に全ての工程が完了します。

円盤には凸凹があり、刃物に繋がった棒がその凸凹をなぞり、凸の部分で刃物が材料に近づき、凹の部分では刃物は材料に当たらないように引っ込んでいます。

1つの円盤が凹の部分になり刃物が引っ込むと、時を同じくして別の円盤が凸の部分にさしかかり刃物を突き出します。

こうして交代交代で刃物が材料を削ってゆき、円盤が一周する最後の部分で突っ切りと呼ばれる刃物が材料の長い棒から切削した部分を切り落とします。

同時に2つの刃物で切削を行うと互いの振動が影響し合って削りにくいので、原則として1つの刃物が削っている時は他の刃物は待機になります。

江戸時代のからくり人形が、歯車の動きで一連の動作を順番にこなしていく仕組みにかなり近いイメージだと思います。

コンピューター制御のない時代に、カムや歯車などの組み合わせだけで複雑な動きを実現している技術力には、本当に感心します。

さらに刃物による材料に横からに切削だけでなく、ドリルを使った正面からの穴空けやネジ切りも、カム一周のサイクルの中で行われます。

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この記事は2011年7月初掲 名入れボールペンの【ペン工房キリタ】