金属挽き物加工の14

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バイトを素材から分類すると、四角柱の先端をそのまま削って使う「完成バイト」、先端により硬い金属をろう付けしてある「ろう付けバイト」、先端の超硬金属を交換式にした「スローアウェイバイト」などになります。

完成バイトは主にハイスと呼ばれる、コバルト、バナジウム、モリブデンなどの希土類金属を添加した鋼を、高周波加熱で熱処理したものです。

ただの四角柱や丸棒の状態で売られていて、グラインダーを使って先端を削り、目的に適した形状にして使用します。職人技が試されますね。

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ろう付けバイトは、バイトの先端にハイスよりもさらに硬い超硬合金をろう付けではめ込んだバイトです。

硬いため完成バイトほど自分で自由に形は作れないし、研ぐのも大変ですが、高い温度まで刃先強度が落ちないので持ちがよく、作業効率が格段に向上します。

超硬合金は炭化タングステン、コバルト、炭化チタンなどの微粉末を焼結したものだそうです。

ろう付け(鑞付け)とは、よく貴金属の装飾品などに使われる溶接の一種ですね。融点の低い鑞を溶かして接着剤として用いる方法です。

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スローアウェイバイトとは、先端の超硬チップを交換式にしたバイトで、価格も安く、自分で刃先を作り込む必要がないため、気軽に使われます。

キリタの職人はハイスでも超硬でもグラインダーで自作してしまいますので、チップは使いませんが、最近ではこちらの方が主流になってきています。

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この記事は2011年9月初掲 名入れボールペンの【ペン工房キリタ】