金属挽き物加工の20

金属挽き物加工の20>

3つ取り付けられる錐の内、1つはメインの穴空け錐、1つは先端の細い穴用で、最後の1つにはタップが取り付けてあり、順番に材料棒の正面(端面)に入ったり出たりして加工していきます。

タップはネジ切りが必要な場合にのみ使われ、前述したように、一定の深さでタップが高速回転を開始し、逆回転をしながら引き戻されます。

穴の深さは、最後に材料を切り落とす位置よりも深く掘った場合には貫通穴となり、そこまで深く掘らないと非貫通穴になります。

切削作業時には貫通させてもさせなくても良いのですが、出来上がった製品の機能上貫通させてもかまわない場合は、なるべく貫通穴にします。

tennkinana

それは切削の後工程で、洗浄液やメッキ液に浸すときに、穴が貫通していないと液が流れず、穴に液や切り粉が残ってしまうのを防ぐためです。

そして次に、カムにより刃物台が前進し、バイト①、②くらいを使って製品の大まかな形を削って行き、さらに必要に応じてバイト③と④を使って表面を細かく削り形を整えます。

最後に突っ切りバイトの付いた刃物⑤が突き出てきて、削り上がった製品を材料棒から切り離します。

これらの動きの全てを、コンピューターを使うことなく、それぞれのカム円盤の凸凹をなぞることで機械的に実現しています。

来週、最後の最後に、NC旋盤の自動旋盤との違い・特徴を説明して、この挽き物の連載を終了します。

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この記事は2011年10月初掲 名入れボールペンの【ペン工房キリタ】