ノック式ボールペンの仕組み、その3
ノック式ボールペンの仕組み、その3>
ノックして前方に押し出された回転子がノックと共に戻らないようにする工夫が回転です。
ノック前には回転子の3枚の羽がカム本体の3つの溝にはまっています。
そこで、溝を作っている壁の突端まで回転子が押されて来た時に、回転子が回転して、羽が溝から、壁の突端の厚み部分にあるギザギザの凹みに移動すれば、ノック棒が戻っても回転子は前方に取り残されて、芯がペンから出たままになります。
回転子は、回転するから回転子なんですね。ではどうして回転子はモーターも内蔵されていないのに回転するのでしょう。
ここでちょっと想像をして欲しいのですが、突端が斜めに切られている部品AとBが、お互いに上下から近づいて行き、斜めと斜めがピタッと合わさった場合、さらに上下から押す力が続くとズルッと横滑りしていきます。
ノックボールペンの中の前の方にはバネが入っており、これが上から押す力となり、指でノックする力が下から押す力になります。
展開図的に平面で見れば横滑りですが、これが円筒状のカム本体の中で行われれば回転になります。
ただ、最初は回転子は溝の中にはまっているので、溝の壁に阻まれて回転できません。
回転子はノックされて溝の中を前方に移動していき、壁が無くなる位置まで行くと始めて回転(横滑り)が始まり、壁の突端の凹みに移動します。
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この記事は2012年3月初掲 名入れボールペンの【ペン工房キリタ】