ノック式ボールペンの仕組み、その3

ノック式ボールペンの仕組み、その3>

ノック棒の突端は斜めがずっと続くのではなくギザギザになっているので、回転子の回転(横滑り)も実際には30度で止まります。

ノックをするとカチッと音がしますが、この回転が起こる時に音の前半分、「カチ」の「カ」に相当する部分の音がします。

ノックを押し切った状態で回転子が30度回転した状態になり、ノックを戻し始めると30度分だけ横にはみ出した回転子は壁の凹みに引っかかってノック棒だけが下がっていき回転子が取り残されます。

本体の壁の突端の凹みも実際には斜めのついたギザギザになっていて、回転子の羽の斜めと合わさって横滑りの続きが起こり、回転子はもう30度さらに回転してギザの底に落ち着きます。

この時に「カチ」の音の後ろ半分「チ」の部分の音がします。1回のノックで合計60度、回転子と替え芯は回転しているんですね。

これが1回のノックで芯が出たままになる仕組みになります。

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芯を戻すためのノックでも、同じような回転が起こり、回転子の羽は元々いた溝の隣の溝に収まります。

カム本体中の壁の突端のギザギザ凹みにいる回転子の羽が、ノック棒で凹みから押し出されると、今度はノック棒のギザとのかみ合いで再び横滑りをはじめ、ギザの谷間まで回転します。

そしてノックが戻ると、ノックと共に溝の底へ降りていきます。

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この記事は2012年3月初掲 名入れボールペンの【ペン工房キリタ】