ボールペンのペン先の仕組み、その8

ボールペンのペン先の仕組み、その8>

先週まででアルベの機械が行うチップ製作の工程を列記しましたので、今回はその各行程をもう少し細かく見ていきます。

先ずステンレス鋼の棒材の外側を削って、後ろ側にはインクタンクに刺さるように段をつけ、前側はボールに向かう傾斜を削ります。

そしてインクの通る穴を、後ろ側から先端近くまで空けます。(この時点では貫通させません。)

ボールが収まる先端部分には、ボールがガタつき無くピッタリ収まるようにボールほぼと同サイズの半球形の穴を、前側から掘ります。

ただしボールとボール受けの凹みがあまりにピッタリだと、インクが前方へ上手く流れて行きません。

流れたとしても、流れやすい箇所にインクの流れが集中してしまい、インクの出がムラになるのです。

そこで、半球状に掘られた凹みの十字方向にさらに4つの溝を掘り、その溝をインクが伝わるようにします。

それにより4方向から均一にインクが流れてムラ無くスムーズな筆記が可能になります。

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この記事は2012年5月初掲 【ボールペン工房キリタの工房便り】