ボールペンのペン先の仕組み、その10
ボールペンのペン先の仕組み、その10>
又最近では、筆記時の力でボールがボール受けの凹みに押しつけられボールの滑らかな回転を阻害されないよう、ボールを後ろから押す為のバネがチップ内に入れられています。
(全ての種類ではないようですが)
このバネは非常に小さいながらも精巧なバネで、例えば細字の0.5mmボールペンの場合で、0.14mmのステンレスの針金製で、外径0.97mmのバネになるそうです。
しかも金属のボール球を支えるためにバネの先端には人差し指を立てたように1本の針金を突出させ、0.14mmの針金が球と1点で接する構造となっていて、その先端部はボールが回転しやすいように半球形に加工されています。
さすがのアルベ製の機械でもこの微細なバネを組み込むことはできないため、脱脂後に別の専用機でチップの後ろからバネを入れ、蓋をしてバネが出てこないように加工します。
この専用の微細なバネを製作できるのは世界でも数社しかなく、中でもトップシェアを誇るのが長野県諏訪市にある(株)ミクロ発條で、なんと国内シェア70%、世界シェア50%だそうです。
以下のページでは、ボールペン用のバネを製作している様子が動画で見られます。とっても興味深いので是非ご覧ください。
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この記事は2012年5月初掲 名入れボールペンの【ペン工房キリタ】