【クロコ】開発秘話、その11
【クロコ】開発秘話、その10>
他社から出ている革巻きペンの多くは、革に接する部分の部品(先金や中間リング、天金)の太さを、革を巻く前の本体と同じ太さにするか、巻いた革と同じ太さにしています。
革を巻く前の本体軸と同じ太さの場合、要するにベースとなる製品の部品をそのまま使っていると言う意味になりますね。
開発・製造する方としては、使い回しで手間がかからずコストも安いので助かります。
ただそれだとどうしても、革の端面(はじっこの厚み部)が見えてしまうし、一番心配なのはそこから皮が剥がれてくることです。
多くの製品では牛革を薄く剥いて使い、強力な接着剤でぴったり貼る事によって、僅かなはみ出しがあってもそれなりに仕上げているようです。
厚めの皮を使っている製品の多くでは、革を巻いた後の本体の外径と同じ太さで部品が作られています。
この方が端面が隠れて段差も気にならなくなるので、良いですね。牛革を剥くのであれば厚みを均一に出せるので、可能な仕上げです。
ただ今回のクロコダイル革の場合、表面に凸凹があるのが端面処理でも問題になりました。
革を巻いたときのペンの外径が11mmになるように皮は剥いているのですが、切り口については、凸凹がある分どうしても11mmより飛びでも部分もあるし、当然凹の部分では10mm位の部分もある訳です。
当初のサンプル段階では、革の切り口に接する先金などの部品は外径11mmで制作していました。
それはそれで、それなりに良い感じで仕上がっていて、日根野さんに見せてもOKを貰えていました。
外径9.5mmの真鍮パイプの上に青木さんが薄く剥いたクロコ革を巻き、極シンプルなデザインの先金、リング、クリップ、天金を配し、素材の魅力を前面に出した製品としてサンプルは一旦完成しました。
しかし、これでいけるかと思っていたのですが、ここに来て組み立て担当の加川から、革の切り口とそれに接する先金やリングのについて、その仕上がりを危惧する意見が出てきました。
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名入れボールペンの【ペン工房キリタ】