サインペンの歴史、その11

サインペンの歴史、その11>

呉竹より1年早く発売された他社の筆ペンでは筆独特の書き味が再現されていないと感じた呉竹の開発陣は、書き味を追求した筆ペンの開発に没頭します。

具体的に目指したのは、筆圧の強弱によって太い字と細い字を書き分けられ、トメ・ハネ・ハライが可能なペン先でした。

動物の毛に似せて成型するナイロン製のペン先を、堅く固めてしまうとサインペンのようになって太い線が書けず、柔らかくまとめないように成型すると細線が上手く書けないばかりかインクがボタ落ちしてしまう。

この問題を解決するために試行錯誤の上にたどり着いたのは、ペン先のナイロンの束を成型する際にひねりを加えておくことでした。

それによって、筆圧をかけない状態ならペン先のナイロンの束がばらけないのでインクがボタ落ちせず、そっと書けば細い字が書け、筆圧を加えた時だけ芯がばらけて太い字も書けるようになったのでした。

この工夫によって、呉竹の筆ペンは、ほぼ同時期に発売された他社の筆ペンを圧倒してトップシェアを握りました。

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