サインペンの歴史、その2
サインペンの歴史、その2>
この稿の題名は「サインペンの歴史」であり、前回からサインペン、サインペンと呼んでいますが、実際にはこのサインペンという呼称はぺんてる(株)の商標で、本来特定のペンをさす言葉です。
この分野のペン全体をさす呼称としては、フェルトペンという呼び方が最も適しているような気がします。
一般にフェルトとは、動物の毛を集めて圧縮し固めたシート上の物をさし、布のように織らないため不織布とも呼ばれ、帽子や敷物、コートなどに使用されます。
実際フェルト製のペン先メーカーにテイボーという会社がありますが、この会社は元々は明治29年創業のフェルト製の高級紳士帽子の製造会社であり、当時の名前は「帝国製帽株式会社」というものでした。
ちょっと脱線しますが、私の家の近所にテイボーの営業職をしていた小鹿さんという人が住んでいて、たまに会社にも遊びに来ていました。
小鹿さんは帝国製帽時代からの営業マンで、若い頃はフェルトの帽子を売り、中年になってからはペン先を売り歩いていました。
帽子を売らなくなってからも、いつも洒落た帽子を被っていて、私の帽子好きに影響を与えてくれた人でした。
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