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リスペクトするペンメーカーの歴史シリーズ

ラミー(ドイツ)

世界でも有数の巨大ペンメーカーであるドイツのラミー社の歴史を綴ってみました。

詳しくはラミーのオフィシャルサイト等を検索していただくとして、簡単な概略と、私見などを挟みながら、お届けします。

「リスペクトペンメーカー」シリーズを思いついた時、じゃあどのメーカーからにしようかと色々考えたけど、やっぱり自分が一番好きなメーカーからだなってってことでラミーを選びました。

やっぱドイツのメーカーですよね。ペンといえば。

ペンはあくまでも工芸品でなく実用品であり工業製品。ドイツの確かな工業技術が基礎となり、モンブラン、ペリカン、ファーバーカステル、ロットリングなどの世界的メーカーがドイツに集中しています。

その中でもラミーは、モダンで洗練されたデザインでありながらも、ドイツらしく計算されたカッチリとした品質が、日本のペンマニアの肌に合うんですね。

ラミー

ラミー創業は1930年、カール・ヨセフ・ラミーによってハイデルブルグに作られました。ですから、もう創業80年。立派な老舗です。

でもモンブラン1906年、パーカー1891年、ウォーターマン1883年、ペリカン1863年、クロス1846年などに比べると新しく、その分、老舗の他社との差別化、新しいデザインに挑戦するあるのかもしれませんね。

特に、創業者の息子である2代目社長が就任して以来、社外の実力のあるデザイナーを起用して先進的なデザインの製品を作り、他社との差別化を図るという方針で大躍進を遂げました。

創業の地で現在も会社のあるハイデルブルグは、大学発祥の地として知られる小さな町。中世の町並みとお城が人気の観光地です。

ラミー

日本のツアー客もすごく多く、私も観光客として訪れたことがあります。とても雰囲気のある落ち着いた町で、古いお城の酒樽が有名です。

その当時乗っていたミニで行ったのですが、うっかりバッテリーを上げてしまい、押し掛けでエンジンをかけた思い出があります。(どんだけ軽い車なんだ。)

話が脱線しました。(つい懐かしくて。)m(_ _)m

ラミー


で、ラミーですが、初代社長の時期にはパーカーっぽいものを作っていたようです。

そして1962年創業者C.J.ラミーの息子であるマンフレッド・ラミーが、2代目としてラミーの社長になります。

新社長は、同業他社との差別化をはかり、「機能によってかたち作られるデザイン」という"バウハウス"のコンセプトを掲げ、革新的な筆記具メーカーとしての道を歩みだした。

と、ウィキペディアには書いてあります。

でもなんだかよく分かりませんね。バウハウスってなんなんでしょうか。

ラミーデザインの元になったバウハウスとは、1919年にドイツで設立された美術と建築に関する学校で、その目指す所は合理主義的・機能主義的でありながら、優れた斬新なデザインだそうです。

残念ながら僅か14年後の1933年にはナチスにより閉校されたのですが、その精神はドイツのデザイン業界に広く浸透していたようです。

要するに機能美を追求した斬新なデザインのペンを作っていこうという大方針を、2代目社長が打ち出したと言うことですね。

バウハウス

    

そして1966年、バウハウスのコンセプトを元にデザインされた新製品LAMY 2000シリーズの販売が開始されます。

同製品は、「西暦2000年になっても通用するデザイン」をコンセプトにして、ゲルト・アルフレッド・ミュラー氏によってデザインされました。

ミュラー氏はバウハウスのコンセプトを踏襲する著名なデザイナーで、ブラウンの電気カミソリもデザインした、デザイン史に名を残す方だそうです。

他社製品の解説を詳しくしてもしょうがないので、詳細については割愛しますが、40年以上もそのままのデザインで販売されているラミーの代名詞ですね。

私も4色ボールペンを持っていますが、アルミの削り出しクリップやその動作なんかは非常に良くできていますね。

2000

1966年にLAMY 2000を発表して以来、ラミーでは次々に斬新なデザインのペンを発売してきました。

三角形の断面を持つダイアログ1、超細身のスピリット、プロペラ型クリップのステュディオ、クリップ無しで伸び縮みするピコ、突き出たクリップでノックするティポなど、いずれも個性派揃いです。

デザイナーもドイツ人にこだわらず、数多くの世界の一流デザイナーに依頼し、デザイナーの名前を前面に打ち出したアピールをしています。

その中でもサファリはヴォルフガンク・ファビアン氏によるデザインで2000と並ぶラミーの代表作です。

カラフルなプラスチック製で、ワイヤーを使ったクリップが個性的なデザインをしており、万年筆でも3,800円という価格の安さもあってラミーの中でも最も売れているモデルです。

毎年その年だけのカラーモデルも出していて、全色を揃えているマニアも多いようです。

サファリ

また、ラミーの最新作のノトは、日本人デザイナーの深澤直人氏が手がけた製品で、最廉価の1500円(ボールペン)で買えるラミーとして人気があります。

昔から日本人はドイツ人と相性が良いと言いますが、ラミーが日本人のデザイナーを起用したことは、なんだかとても嬉しいことです。

これからもラミーは、斬新で機能的なペンを世に出し続けていくでしょう。

ノト